インプラントを長持ちさせる方法は?意外と知らない寿命とメインテナンスの真実
「インプラントは一生もの」と聞いたけれど、本当にそんなに長く使えるの?
そう疑問に思う方は少なくないでしょう。
インプラントはしっかりと定期的にメインテナンスを行うことで長持ちします。山口歯科医院においては20年以上問題なく使用できているケースが多数あります。
インプラントを長持ちさせる方法は主に下記の4つが重要となります。
・丁寧な毎日のセルフケア
・3~6ヶ月ごとの歯科医院でのメインテナンス(歯科衛生士によるPMTC)
・かみ合わせを定期的に確認し必要があれば調整する
・生活習慣の見直し(歯ぎしり、食いしばりに対する治療)
本コラムでは、インプラントを長持ちさせるために欠かせない日常ケア・通院のポイントをわかりやすく解説します。
インプラントをご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
インプラントの寿命はどのくらい?
顎の骨の中に埋め込むインプラント体や、上部構造はチタンやセラミックで出来ているので人の寿命の年数で劣化することはありません。上部構造が装着され口腔内でインプラントが咬合や咀嚼の機能し始めた後は適切なメインテナンスを怠ると、早期に細菌感染や過負荷によってダメになることもあります。適切なメインテナンスを継続することで20年以上良好に経過することがほとんどでなかには30年以上問題なく使用できているケースもあります。
インプラントは人工歯根(インプラント体)をあごの骨に埋め込み、その上に人工歯(上部構造)を装着する治療法です。そのため、もともとの骨の量や質、外科手術の精度、清掃状態、噛み合わせ、力のかかり方などが寿命に大きく関係します。
天然歯と同じように、使い方とケア次第で寿命が延びることもあれば、短くなることもあります。
インプラントが長持ちしない原因とは
インプラントの寿命を縮める大きな要因はインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、歯周病と同様の細菌感染による炎症です。放置すると、インプラント体を支えている歯槽骨の吸収で最悪の場合インプラントが脱落してしまいます。
インプラント周囲炎は不十分な歯磨きなどのメインテナンス不足や、異常な咬合による負担、喫煙による免疫力の低下によって引き起こされます。
また、食いしばりや歯ぎしりはインプラントに過度の力を加え、破損や脱落のリスクを高めます。
さらに、歯科医院での定期検診を受けていない場合、インプラント周囲炎の兆候やインプラントの不具合の発見が遅れてしまうことにもつながります。
インプラントを長持ちさせるには、歯科医院での検診・メインテナンスと日常的なオーラルケア、生活習慣を見直すことが大切です。
インプラントを長持ちさせるための具体的な方法
インプラントを長持ちさせるための具体的な方法は、以下の通りです。
・丁寧な毎日のセルフケア
・3~6ヶ月ごとの歯科医院でのメインテナンス(歯科衛生士によるPMTC)
・かみ合わせを定期的に確認し必要があれば調整する
・生活習慣の見直し(歯ぎしり、食いしばりに対する治療)
最も大切なのは、毎日の歯磨きです。歯ブラシで丁寧に磨くだけでなく、デンタルフロスやインターデンタルブラシ(歯間ブラシ)を併用して、歯と歯のすき間やインプラント周囲の汚れを残さないようにしましょう。
また、定期的な検診・メインテナンスも欠かせません。歯科医院では、インプラントの状態の確認を行い、専用の器具で歯石やプラーク(歯垢)を除去します。噛んだ時の力が一部に集中すると、インプラントのゆるみや破損につながるため、噛み合わせのチェック・調整も行います。
加えて、喫煙などの習慣、食いしばり・歯ぎしりなどの無意識な癖を見直すことも重要です。糖尿病などの持病がある場合は、全身状態をコントロールすることでインプラントが長期安定しやすくなります。
メインテナンスを怠るとどうなる?
インプラントのメインテナンスを怠ると、インプラント周囲炎が進行し、骨が溶けてしまう恐れがあります。最終的にはインプラントが動揺・脱落して、再手術が必要になるケースもあります。
インプラント周囲炎は初期段階で発見・治療できれば、インプラントを守ることは十分可能です。痛みや違和感をおぼえたら放置せず、早めに歯科医院を受診しましょう。
長持ちさせる人の共通点とは
長く快適にインプラントを使っている人には、以下のような共通点があります。
・定期検診・メインテナンスを欠かさない
・毎日のオーラルケアを丁寧に行っている
・喫煙しない
・食いしばりや歯ぎしりの習慣がない(ある場合は適切な対策がされている)
・歯科医院と良好な関係を築いている
上記の項目を意識することで、インプラントを長く使い続けられます。
まとめ|インプラントの寿命はメインテナンスとケア次第
インプラントは20年以上快適に使える治療法です。しかし、長く使うためには「治療後のケアをどれだけしっかり続けられるか」が鍵になります。
定期的な歯科医院での検診・メインテナンス、そして毎日の清掃を習慣化し、自分の歯と同じように大切に扱うことで、インプラントは長く健康に保てます。
インプラントに関する疑問や不安がありましたら、ぜひお気軽に当院へお問い合わせください。
Q1:インプラントに違和感をおぼえたら、すぐに歯科医院を受診すべきですか?
A1:はい、できるだけ速やかに受診してください。インプラントの不具合やインプラント周囲炎を放置すると、インプラントの脱落や破損につながる可能性もあります。早期発見・早期治療に努めましょう。
Q2:インプラント周囲炎の治療方法にはどのようなものがありますか?
A2:軽度ならば歯科医院での歯石除去や歯周ポケット内の洗浄、抗菌薬の投与、清掃指導などの非外科的治療で改善が見込めます。進行している場合は、歯ぐきを切開して清掃する外科的処置が必要になることもあります。当院では、歯周病だけでなく、インプラント周囲炎にも効果が期待されている「ブルーラジカル」治療も提供しております。
記事監修 医療法人明貴会 ⼭⼝⻭科医院 理事⻑ ⼭⼝ 貴史
■ 略歴
- 1982年 大阪歯科大学卒業
■ 所属学会
