インプラント治療を成功させるには
インプラントは成功率の高い治療です。しかし、成功率は100%ではありません。なぜなら、手術を行う歯科医師の技術や患者さまの口腔環境などの影響で成功率が変わってしまうためです。
そこで、本コラムではインプラント治療を成功させるためのポイントについて詳しく解説します。インプラント治療をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療の成功率に影響を与える因子
インプラント治療の成功率に影響を与える主な要素として、以下のものが挙げられます。
・口腔環境
・全身状態
・喫煙
・インプラントシステムの材質や種類
・歯科医師の技術や歯科医院の設備
インプラント治療の成功率は、治療開始前の口腔内の状態によって大きく変わります。
例えば、虫歯や歯周病の治療が済んでいない状態でインプラント治療を行うと、口腔内に細菌が多い状態なので周囲の組織に炎症(インプラント周囲炎)が起こりやすくなります。
また、インプラントを支える顎の骨が十分な厚みや高さが失われている場合は、事前に骨を再生する治療(骨造成)を検討する必要があるでしょう。
糖尿病と歯周病は互いの症状を悪化させる関係にあります。インプラント治療を安全に行うためには、歯科治療と糖尿病治療を並行して進める必要があり、主治医との連携が欠かせません。
タバコは歯周組織の状態を悪化(毛細血管のダメージと歯周組織の繊維化)させ、インプラント周囲炎のリスクを上げてしまいます。インプラント治療を検討している場合は、早めの禁煙をおすすめします。
顎の骨に埋め込むインプラントの材質や種類、デザインも、インプラント治療に深く関わってきます。さまざまな材質のインプラントがありますが、生体親和性の高い純チタン製のものがおすすめです。
治療を受ける歯科医院を選ぶ際は、治療費だけでなく、設備や在籍する歯科医師・歯科衛生士の経験などにも注目しましょう。
インプラント治療の成功率を上げるために出来ること
インプラント治療の成功率を上げるため、患者さまが日ごろから改善できるポイントについては、以下の通りです。
・セルフケアの徹底
・禁煙
・持病のコントロール
・生活習慣
インプラント治療前からこれらを実践しておくことで、治療の成功率を上げることが可能です。インプラント治療中・治療後もぜひ継続しましょう。
インプラント治療後は、インプラント周囲炎の予防が重要になります。定期的に歯科医院でメインテナンスを受け、プロフェッショナルによるケアや咬み合わせの調整などをしてもらうことが不可欠です。
当院には、患者さまの口腔衛生を担当する歯科衛生士だけでなく、不安や疑問があった場合に気兼ねなく相談できるトリートメントコーディネーターが在籍しております。
適切なメインテナンスを受け、長くインプラントを使い続けたいとお考えであれば、ぜひ当院にご来院ください。
Q1:無意識に歯を食いしばる癖があるのですが、インプラント治療を受けられますか?
A1:はい、受けられます。ただし、インプラントに負担をかけないために、就寝時にナイトガードの装着をおすすめします。
Q2:噛み合わせが悪くてもインプラント治療を受けられますか?
A2:はい、受けられます。インプラント治療計画の立案時に、歯並びや噛み合わせまで含めた口腔全体の状態をコンピュータ診断システムで総合的に診断します。
記事監修 医療法人明貴会 ⼭⼝⻭科医院 理事⻑ ⼭⼝ 貴史
■ 略歴
- 1982年 大阪歯科大学卒業
■ 所属学会