よく噛んで脳を活性化 インプラント治療は有効|京都のインプラント手術なら医療法人明貴会山口歯科医院

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よく噛んで脳を活性化 インプラント治療は有効

最近注目されているのが、咀嚼が脳のアンチエイジングにつながるというものです。具体的には、食物を噛むこと自体で大脳皮質にインパルス(神経繊維の中を伝わっていく活動電位。電動速度は有髄神経か無髄神経かなどによって異なる。神経衝撃)が届き、良い意味での刺激が加わります。また、咀嚼に関連する筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことによってポンプの役割をします。1回の咀嚼で1.5CC、一口50回で75CC、1日5000回で75Lも血液が余分に脳に送りこまれ、栄養と酸素を与えるのです。咀嚼時にMRIで脳を撮影すると脳に血液が送り込まれることが見て取れます。これにより前頭前野が活性化し高齢者の認知機能の低下を防ぐ効果もあると期待されています。前頭前野は‘‘人間の脳‘‘と言われている部分です。思考、計画の立案、学習などもっとも知的で論理性の高い機能をもつ領域で、咀嚼している間はこの部分が活性化しているのです。ですから、咀嚼が子供の学習や、認知症の発症・予防・治療に効果があるのではないかと期待されている所です。また、65歳以上で歯がなく、総入れ歯を使っていない人は、20本以上の歯がある人に比べてアルツハイマー型認知症の発生率が1.8倍くらい高いことも分かってきました。総入れ歯を装着している人の場合は、使っていない人よりも30%程度の改善がみられます。つまり、歯の有無、咬合、咀嚼の可否が認知症に対して非常に重要な役割を果たしていることが疫学データ基礎研究によっても解明されつつあるのです。さらに名古屋市立大学の研究では、歯周病が認知症の発症を促進する一方で、歯周病の治療をすることによって認知症の進行を抑制できるとう報告もあります。自分の歯が揃っていて固いものを噛んで咀嚼することによって、咀嚼筋群は収縮と弛緩を繰り返し、脳に血液を送り込むことができるのです。これによって特に脳の右側前頭前野が活発に働きます。また、しっかりとした咀嚼はリズム運動の効果もあります。リズム運動はウオーキングやダンス、呼吸法など一定間隔のリズムをもった動きのことで、抗うつ作用やリラックス作用をもたらす神経伝達物質・セロトニンの分泌を促すことでも知られています。

咀嚼による脳のアンチエイジングの働きは、若い人より高齢者の方が顕著に見られます。とはいえ、咀嚼は若い人にも勿論有効です。集中力を高める働きと、リラックスする働きを合わせもっているからです。この一見相反するような効果がスポーツや勝負事に役立ちます。

私は若い頃、アメリカメジャーリーグの選手が試合中にガムをクチャクチャ噛んでいるのを見て、「なんてお行儀が悪い。やっぱり日本のプロ野球選手のほうがずっと礼儀正しい」なんて思ったものです。しかし、ガムを噛むことで集中力が高まり、適度なリラックスをもたらして成績の向上に一役買っている、とも考えられています。メジャーリーグの選手は咀嚼にこのような効果があることを経験的に知っていたかもしれませんね。もちろん、人前でガムを噛むことがそれほどマナーの悪いことと感じない国民性もあるのかもしれません。

ちなみに、咀嚼率は義歯(入れ歯)を用いることである程度できるようになりますが、研究では30%程度しか回復しないことが分かっています。本来、自分自身の歯で食べることがとても大切なのです。インプラント治療なら100%回復することが可能ですので、有効な治療法だといえます。

 

医療法人明貴会 山口歯科医院

理事長 山口貴史

京都市上京区荒神町110-2

 

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