唾液の効能とインプラント
1.栄養を摂り、肥満を抑える 1つは、最初の消化器としても役割です。食物を細かく嚙み砕き唾液と混ぜ、飲み込みやすくして胃に送り込んでやるという働きです。それによって栄養をきちんと吸収することが可能になります。しかし歯が少ない人はカロテンやビタミンC、カルシュウムなどの栄養摂取が少なくなりがちな一方、糖分や糖質、炭水化物、脂質の摂取が多くなることが分かっています。野菜などよりも食べやすい麺類や菓子パン、ジャンクフードなどを食べる傾向にあるというと分かりやすいでしょうか。つまり、バランスの悪い食事によってカロリー過多になりやすいといえ、肥満の原因になります。
2.唾液が出る 咀嚼時は、安静にしている時に比べて約8倍の唾液が分泌されています。一口につき50回を目標によく噛むことより、さらに唾液をたくさん出すことができます。なぜ唾液が健康に良いのでしょうか。それは、唾液には次のような力を持った成分が含まれるからです。
*アミラーゼという消化酵素*lgA・ラクトフェリン・リゾチーム・ペルオキシターゼなどの免疫をつかさどる因子*パロチンという成長ホルモンの一種で骨や皮膚の発育に関与する若返りホルモン*虫歯や歯周病を防ぐため、唾液を常に中性に保つ炭素化水素塩*虫歯を防ぎ、虫歯にかかったときに再石灰化を促し、歯を固くする成分
アミラーゼには糖分分解酵素があります。お肌をきれいにしたり骨や内臓を丈夫にしたりする成長ホルモンパロチンを含みます。ものを細かく噛み砕いた後、口の中をなめらかにして、少しずつ塊にして飲みやすくする作用もあります。また、唾液の中にはさまざまな免疫グロブリンが含まれます。なかでも母乳に含まれていることで知られるラクトフェリンがたくさん含まれています。「母乳で育てた子供は体が強い」といわれることからも分かるように、ラクトフェリン自体も万能薬であるのです。
ラクトフェリンの効能 *鉄吸収作用(鉄分と結合し体に吸収しやすくし貧血を防ぐ)*抗酸化物質である*骨密度にプラスの働きをする*抗菌作用*内臓脂肪を低減する
口腔内にはそういった免疫の細胞がたくさんあるので、よく噛んでしっかりと食べ物と免疫細胞を混ぜあわせることによって食中毒を防ぐことさえ可能だとも考えられています。家族やグループで同じ食事をしたにもかかわらず、食中毒にかかる人とかからない人に分かれるケースがありますが、普段の咀嚼習慣が発症を左右している可能性もあるのです。さらに、人の唾液に発ガン物質を1分間つけておくと、発ガン性物質が無毒化されるということも分かってきました。これは食べ物に含まれている発ガン物質を唾液中のペルオキシターゼが無毒化するのです。
食物にはいまやさまざまな添加物が含まれているばかりか、いつどこでどんな農薬が使われていたか、全てのをさかのぼって知ることはほぼ不可能です。毎日の食事から全ての有害物質を避けることはまずできないでしょう。しかし、一口ごとに50回の咀嚼をして分泌された唾液と食べ物をしっかりと混ぜ合わせることで、‘‘なかったこと‘‘にできるとしたら。。。これほど簡単で安全な方法はないのではないでしょうか。以上のように、唾液をたくさんだすことで得られる成分によって、全身の健康に繋がっているのです。しっかり咀嚼して食べるということは、まず体の入り口のところで病気を防ぐことに繋がるのです。
よく噛んで唾液をたくさん出すことの重要性を良くおわかりいただけたと思います。しっかり噛む為に、欠損歯のインプラント治療はかなり有効です。歯が少ない方、インプラント治療を検討してみてはいかがでしょうか?
医療法人明貴会 山口歯科医院
理事長山口貴史
京都市上京区河原町荒神口上る西側