インプラントの1回法と2回法とは?違いやメリット・デメリットを解説
「できるだけインプラント手術の回数を減らしたい」
「インプラントの1回法と2回法の違いは?」
インプラント治療を検討している方のなかには、このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。インプラント治療は失った歯を補う優れた治療法の1つですが、手術回数によって治療期間やリスクなどに差が生じます。
本コラムでは、1回法と2回法、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。より自分に合った治療法をお探しの方は、ぜひご参考にしてください。
インプラントの埋入(まいにゅう)とは?
インプラント体をしっかりと歯槽骨の中に固定するためには、「埋入(まいにゅう)」という処置が必要です。
この方法には、1回法と2回法の2種類があります。
・1回法は、インプラント体を歯槽骨の中に埋め込む際に、歯ぐきを貫通させてインプラントの頭(ヒーリングアバットメント)を出しておく方法です。歯ぐきの治癒を待ってから、人工の歯を取りつけます。
・2回法は、インプラントを埋め込んだあと、歯ぐきで完全にふたをして封鎖します。そのまま骨にしっかり固定されるのを待ち、後日(2次手術を行い)人工の歯を取りつける方法です。
インプラント治療では、2回法のほうが治療に時間がかかる傾向があります。
これは、2回目の手術の(2次手術後の歯ぐき)治癒を待つ必要があるためです。
次に、1回法と2回法について解説します。
1回法とは
1回法とは、外科手術を1回のみ行う治療法です。インプラント体の埋入とアバットメント(被せ物の土台)の装着を1回の手術で行いオッセオインテグレーション(インプラント体と歯槽骨の結合)を獲得できるまで待機したのち仮歯(プロビジョナル)を装着し、形態に問題がないことを確認した後、最終の人工歯(クラウン)を装着する方法です。
1回法のメリットは、2回法と比較し手術回数が少ないことです。次に紹介する2回法よりも通院回数の軽減や、治療期間の短縮も可能です。
しかし、1回法はすべての患者様に適用できるわけではありません。顎骨が薄い場合や脆い場合、歯ぐきが少ない場合は1回法を選択できないケースがあります。また、歯周病が原因で歯を失った場合、全身疾患をお持ちの場合は、より感染リスクの低い2回法が選択されます。
2回法とは
2回法は、インプラント体の埋入と、アバットメントの装着を別々の手術で行う治療法です。骨造成が必要な場合を含め、幅広い症例に適応できます。また、1回法よりも感染リスクが低いため、全身疾患をお持ちの方の治療も可能です。
1回法と2回法の違い
1回法と2回法の大きな違いは、アバットメントの装着のタイミングにあります。
1回法ではインプラント体とアバットメントを同時に埋入しますが、2回法では1回目の手術でインプラント体のみを埋入し、歯ぐきを縫合して顎骨との結合(オッセオインテグレーション)を待ちます。インプラント体と顎骨の結合を確認後、再度歯ぐきを切開してアバットメントを装着します。
1回法は手術の回数が少ないため、その分通院回数の軽減につながります。しかし、感染リスクが2回法に比べて高いところがデメリットだといえるでしょう。
骨が少ない場合でもインプラントは可能
近年では、骨の量が少ない方でも、インプラント治療とあわせて骨を再生させる方法が広く取り入れられています。
骨再生の技術が進歩したことで、これまで難しかったケースでも、より理想的な位置にインプラントを埋め込むことが可能になってきました。
インプラント治療を成功させるためには、骨の状態だけでなく、全身の健康状態もきちんと確認したうえで、適切な治療方法を選ぶことが大切です。
当院では、患者様一人ひとりのライフスタイルやご希望を大切にしながら、無理のない治療計画をご提案しております。
まずはお気軽にご相談ください。一緒に、安心できる治療方法を考えていきましょう。
Q1:1回法の注意点はありますか?
A1:お口の中に露出しているアバットメントにもプラーク(歯垢、汚れ)は付着するので適切なケア(ブラッシング)を行い清潔に保つ必要があります。
Q2:インプラント手術は痛みをともないますか?
A2:局所麻酔により、術中の痛みはありません。さらに、当院ではすべての患者様に対し、局所麻酔に加えて静脈内鎮静法を用いて、痛みや恐怖心の軽減に努めています。