インプラント手術前後の高濃度ビタミンC点滴について|京都のインプラント手術なら医療法人明貴会山口歯科医院

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インプラント手術前後の高濃度ビタミンC点滴について

インプラント手術前後の高濃度ビタミンC点滴について

当院では、インプラント手術の前後に、高濃度ビタミンC点滴の併用を推奨しています。
ビタミンCには、免疫機能のサポートや炎症の抑制、傷の治癒を促す働きがあり、術後の回復をサポートする目的で取り入れています。
本コラムでは、高濃度ビタミンC点滴の働きや、経口摂取との違い、点滴を受ける際の注意点について詳しくご紹介します。
特にインプラント手術の予定がある方や、術後の回復を少しでもスムーズに進めたいとお考えの方にとって、治療の選択肢を検討するうえでの判断材料としてお役立ていただける内容です。ぜひご参考にしてください。

高濃度ビタミンC点滴とは?

高濃度ビタミンC点滴とは、ビタミンCを静脈に直接投与することで、短時間で全身に行き渡らせることができる点滴療法です。
ビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない栄養素の一つであり、不足すると傷の治りが遅れたり、炎症が長引いたりすることがあります。また、強い抗酸化作用を持ち、免疫機能をサポートしたり、炎症を抑える働きもあることから、術後の回復促進に役立つとされています。
特に口腔外科領域では、術後の創傷治癒や感染リスクの抑制を目的に用いられることがあり、以下のような方に適した選択肢だといえます。

・抜歯やインプラント手術などの外科手術を受ける方
・口腔内の健康を守りたい方
・高齢者
・喫煙者
・風邪を引きやすい方
・慢性的な疲れを感じている方
・健康維持や美肌ケアを意識している方

特にインプラント手術では、術後の炎症や感染リスクを抑えることが重要です。手術前後に高濃度ビタミンC点滴を活用して十分にビタミンCを補うことで、インプラント術後に下記のような効果が期待できます。

・術後の炎症抑制
・手術部位の創傷治癒促進
・インプラント周囲炎の予防

なお、当院では1回あたり12.5~25gの高濃度ビタミンC点滴を、インプラント手術前後に行うことを推奨しております。

高濃度ビタミンC点滴と経口摂取の違い

「ビタミンCは飲食物からも摂取できるから、点滴は必要ない」 とお考えの方もいるかもしれません。高濃度ビタミンC点滴と経口摂取のビタミンCでは、以下の点において違いがあります。

・吸収率
・血中濃度

点滴によってビタミンCを直接静脈に投与することで、消化器官を経由せずに体内へ取り込むことができます。その結果、経口摂取と比較して吸収効率が高く、体内での利用率が向上します。
さらに、一時的に高濃度のビタミンCを血中に保持できるため、短時間で全身にしっかりと成分を届けることが可能です。

高濃度ビタミンC点滴の注意点

高濃度ビタミンC点滴は、比較的安全性の高い治療法とされていますが、すべての方に適しているわけではありません。安全に治療を受けていただくためには、以下のような点に注意が必要です。

・持病
・起こりうる副作用
・自由診療における費用面の確認

これらの観点を事前に把握しておくことで、安心して治療を受けられるかどうかを判断しやすくなります。以下で、それぞれについて詳しくご説明します。

持病

患者様のなかには高濃度ビタミンC点滴を受けられない、または慎重に検討しなければならない方もいらっしゃいます。以下に該当する場合は、点滴を受ける前に医師の確認が欠かせません。

・G6PD(グルコース-6-リン酸脱水素酵素)欠損症
・循環器疾患(心不全など)
・腎不全
・胸水や腹水の貯留
・その他管理されていない肝臓疾患、糖尿病、甲状腺疾患

なかでも、G6PD欠損症は特に注意が必要です。G6PD欠損症は先天性の体質であり、自覚症状がないまま日常生活を送っている方も少なくありません。もしG6PD欠損症の方が高濃度ビタミンC点滴を受けた場合、「溶血」と呼ばれる赤血球の破壊が起こる可能性があるため、当院では事前に血液検査(G6PD検査)を必ず実施しております。

起こりうる副作用

高濃度ビタミンC点滴には重篤な副作用はないとされているものの、以下のような症状が出る場合があります。

・点滴痛
・のどの渇き
・吐き気
・頭痛
・低Ca血症
・低血糖
・見せかけの高血糖
・尿路結石
・アレルギー

これらの副作用は一過性であることが多いですが、症状を感じた際は無理をせず、速やかにスタッフへお申し出ください。

費用

高濃度ビタミンC点滴は自由診療であり、医療保険は適用されません。当院では以下のように料金を設定しています。

・インプラント手術前後の高濃度ビタミンC点滴(25g)
¥11,000/回
※インプラント手術前後に各1回ずつ受けることが可能

・上記以外の高濃度ビタミンC点滴(25g)
¥15,400/回

当院では高濃度ビタミンC点滴のほかに、以下のような点滴療法も提供しております。

・マイヤーズカクテル・プラス
・スーパーアンチエイジングカクテル(高濃度ビタミンC点滴&マイヤーズカクテル・プラス)
・幹細胞培養上清液点滴

これらは、インプラント手術前後のサポートとしてだけでなく、疲労回復や体調管理、エイジングケアなどを目的とした点滴療法としてもご利用いただけます。

高濃度ビタミンC点滴の効能

高濃度ビタミンC点滴は、インプラント手術に限らず口腔外科や歯周病、加速骨造成矯正法などの手術前後に有効だと考えております。
多くの動物はビタミンCを自分で作ることができますが、人間は作れません。そのため、厚生労働省は1日ビタミンC100mgの摂取を勧めていますが、これは壊血病予防のための最小限の量です。
怪我や手術、風邪やインフルエンザ、ヘルペスなどのウイルスの感染時にビタミンCは大量に消費されることから、高濃度ビタミンC点滴を行うことによって、手術後の傷の治りが良くなることを実感しています。
また、口腔領域の感染症の治りにも効果があり、顔面のヘルペスウイルスによる帯状疱疹にも著効を感じています。

50mg以上の超高濃度ビタミンC点滴はガン治療にも用いられています。現在世界各国で臨床試験が行われており、ガン予防からステージⅣまでの段階で効果がみられます。口腔領域のガンも増えているため、アンチエイジングとガン予防を兼ねて、副作用の少ない高濃度ビタミンC点滴療法は、多くの方に受けていただきたい療法の1つです。

手術前後の他、歯科衛生士による定期的な歯石の除去やPMTCと呼ばれる歯のクリーニング時に一緒に受けていただいくことも多いです。私自身も月に2回25gの点滴を受けております。

当院では、患者様一人ひとりの体調やお悩みに合わせて最適なプランをご提案いたしますので、気になる症状やご不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

Q1:高濃度ビタミンC点滴はどのくらいの頻度で受ければいいですか?
A1:当院では最初の4回程度は週1回、その後は月1~2回を目安にお受けいただくことをお勧めしています。

Q2:高濃度ビタミンC点滴にはどのくらいの時間がかかりますか?
A2:点滴自体は30分前後で受けられます。

 

医療法人明貴会 山口歯科医院 理事長 山口貴史

日本口腔インプラント学会 専門医
国際口腔インプラント学会;ドイツ口腔インプラント学会認定医指導医
日本抗加齢医学会専門医
厚生労働省 臨床研修指導歯科医
高濃度ビタミンC点滴認定医

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