睡眠と健康
睡眠と健康
以前、抗加齢医学会総会でスタンフォード大学医学部精神科教授の西野精治先生のお話しを聴講するチャンスがありました。年々睡眠時間の短くなってきている私にとってとても衝撃的な内容でした。
睡眠の役割は、蓄積した睡眠圧の放出・疲労回復、記憶の整理・定着、成長ホルモンの分泌、免疫力の増強などで
心と体がリセットされる感じだろうか。睡眠が足りていない状態を一般的には”睡眠不足“と表現しますが、西野先生曰く”睡眠不足“ではなく”睡眠負債“と表現。
睡眠時間が足りないことによって、簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていき気づかないうちにたまる眠りの借金、それが”睡眠負債“です。
世界一「睡眠偏差値」の低い日本、フランス人の平均睡眠時間は、8.7時間、アメリカ人は7.5時間、そして日本人は6.5時間。平均睡眠時間とれていればまだ良いのですが、6時間未満の人が40%もいるそうです。なんとわたしもここに含まれます。短時間睡眠は、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病と直結するそうです。
また、1日1時間以上の昼寝は認知症リスクを高めるという研究結果もあります。勿論、寝だめなどではどうにも解消できないのです。睡眠の問題を「時間」でコントロールするのは難しいようです。
40分の睡眠負債を取り戻すのに3週間、毎日14時間布団の中過ごす。なんてとても現実的ではありません。
いかに睡眠の質を上げるかが重要になってきます。近年、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりの症状のある方も増加しています。
睡眠と覚醒は2つで1つ、良い睡眠がなければよい覚醒はなく、良い覚醒によって良い睡眠もえられます。
最初の90分を深くせよ!黄金の90分を確保するスイッチは、体温と脳にあります。深部体温を下げ、脳のスイッチを適切に切っていくのです。 (参考著書 西野精治“スタンフォード式最高の睡眠”)
睡眠負債を解消し、ストレスのない健康な毎日を過ごしましょう。