インプラント治療を行う際の検査はどんな内容?
「インプラント治療の前に、どんな検査が必要なの?」
「インプラント治療に関わる検査の費用は?」
インプラント治療を検討している際、検査についてこのような疑問が生じた方もいらっしゃるでしょう。
インプラント治療は、見た目や咀嚼機能を回復できる有効な治療法の一つですが、外科手術をともなうため、事前の検査が欠かせません。あごの骨や口腔内、全身状態を正確に把握しなければ、安全で長持ちするインプラント治療は行えません。
そこで、本コラムではインプラント治療のための検査とはなにかについて具体的に解説します。検査内容や費用の目安までわかりやすくお伝えしますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひご参考にしてください。
インプラント治療のための検査とは?
インプラント治療の予後は、事前検査に大きく左右されます。インプラントは骨に人工歯根(インプラント体)を埋入する外科手術をともなうため、安全性や安定性を確保するために、口腔内だけでなく、全身の状態に至るまで詳細に把握する必要があります。
当院では、視診・触診のほかに、以下のような検査を行います。
▼口腔内模型の作製
歯型を取り、噛み合わせや歯列を立体的に把握します。
▼パノラマレントゲン撮影
あごの骨の全体像や歯根部分の病変の有無を確認します。
▼CT撮影
あごの骨の高さや厚み、骨質や神経・血管の位置を精密な三次元画像として把握します。
▼血液検査
感染症や肝機能、腎機能、糖尿病などの生活習慣病の有無を含む、全身の健康状態を把握します。
▼歯周病菌検査
歯周病の原因菌、特にレッドコンプレックス(P.g菌、T.d菌、T.f菌)は、インプラントを脱落させる「インプラント周囲炎」の原因菌ともなります。患者さまお一人ひとりの歯周病のリスクを把握し、個々に適した予防対策を練ることが可能になります。
▼咬合力検査
咬合力は、インプラントにかかる負荷を判断するための大切な要素です。インプラントに適切な咬合力がかかるように調整することで、インプラントを長持ちさせることが出来ます。咬筋にボトックス注射をする事で咬合力を適切な状態にコントロールできます。
口腔内の健康は全身の健康と密接に関係しているため、全身の状態を調べることが大切です。
既に疾患に対する投薬治療を行っている場合は、お薬手帳などをお持ちいただきます。
虫歯や歯周病の有無もチェックします。口腔内に炎症があると、細菌が繁殖している状態なので、インプラント治療を行えません。
まず歯周病治療など炎症を取り除く治療を行います。口腔内の炎症を取り除き、全身の状態をコントロールしてからインプラント手術を行います。
また、検査で虫歯や歯周病が発見された場合は、そちらの治療を優先するケースがあります。また、糖尿病や高血圧など、未発見の疾患が見つかった場合は、医科へ紹介することもあります。
検査内容ごとの費用の目安
インプラント治療にかかわる検査は、すべて自由診療と見なされます。そのため、治療費は全額自己負担となります。
以下で、代表的な検査と費用の目安についてご紹介します。
・CT検査:片顎12,100円、上下顎16,500円
※血液検査や診断用模型の費用は診断料に含まれます。
上記の費用はインプラント本体や手術費用とは別にかかる場合があります。ただし、精密な診断はインプラントの長期的な安定性を確保し、失敗のリスクを減らすための投資ともいえます。費用の面から検査を省略することは、手術中のトラブルや治療後の不具合につながるため、おすすめできません。
インプラント治療前の検査は、あごの骨や口腔環境、全身の健康状態を把握し、安全で予後の良い治療を行うための必要なステップです。費用はかかりますが、将来的なトラブルを避けるための大切な準備と捉えましょう。
検査内容や検査費用は歯科医院によって異なるため、無料カウンセリングなどを利用して確認しておくことが大切です。
Q1:歯科用CTによる被ばくが心配です。身体への悪影響はありませんか?
A1:心配する必要はありません。歯科用CTの被ばく量は0.1mSvであり、日本人1人当たりの自然放射線量1.5mSvよりも極めて低いといえます。もしも不安がある場合は、歯科医師に事前にお伝えください。
Q2:インプラント治療後にMRI検査は受けられますか?
A2:基本的には受けられます。ただし、磁石を使用したインプラントオーバーデンチャーを使用している場合は検査が制限される場合があります。